「作詞の遊歩道」と題して、作詞のノウハウや新情報、歴史などを語っていきます。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、このサイトのキャラクターである「命まもる君」！ 発表以来 とても人気で、嬉しく思っています。
だって、僕の分身のような存在なのです。数年前、命という漢字をじっと見つめていたら、
顔に見えてきました。 命 それをヒントにデザインしたのです。
人生に疲れてしまった時、 まもる君の鋭くも愛情ある眼力に見つめられたら、元気も出てくるでしょう。 僕も 幾度となく 彼に助けられました。
皆さんも、彼と友達になってくださいね。
「命まもる」さて、今回のテーマは、＜作詞の上達は比喩にあり（笑）＞です。
先日、僕が担当している昭和音楽大学のソングライティング演習の時間、
学生諸君に、歌詞における「比喩（ひゆ）」の話をしました。また、彼らのとびきりの発想力で、比喩を課題にチャレンジして貰いました。
音大の作曲でも、歌詞は必要です。
音楽は、メロディー・ハーモニー・リズムのみで成り立っているわけではありません。
歌には、言葉という ある意味 非常に音楽的な要素が 不可欠です。
そこで、今回のレッスン・テーマは、比喩となったわけです。
ちなみに、比喩とは、ネット辞書の大辞泉によれば......
-
ひ
‐ゆ【比喩／譬喩】
ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。 -
ひ
ゆ‐ほう【比喩法】
物事を直接に描写・叙述・形容などしないで、たとえを用いて理解を容易にし、表現に味わいを加える修辞法。（以下略）
辞書って、丁寧に説明しようとするあまり かえって難しくなってしまうようですね。
辞書って、話の分からない、偏屈おやじのようです（←これも比喩かも 笑）。
まあ、平たく言うと 「たとえ、言い換え、連想」みたいなものですね。
比喩には 色々な種類がありますが、
授業では 次の4つを説明しました（弊著 『ＣＤ付き楽しく学べる作詞・作曲（ナツメ社）』に詳しく解説があります）。
●直喩（ちょくゆ） ＝ 「何々のような」で分かり易く表現する。
......朝日のような 笑顔
●隠喩（いんゆ） ＝ 「何々のような」を使わないで表現
...... 朝日の笑顔 マシンガン・トーク（マシンガンのようなトークから）
●換喩（かんゆ） ＝ 言葉のもつ属性を比喩に使う。
...... モーツァルトに癒される（ ＝ モーツァルトの作品に）
●象徴喩（しょうちょうゆ）＝言葉が象徴する内容を比喩に使う。
...... ペンは剣よりも強し（ペン＝学問、マスコミ 剣は＝軍隊）
で、実践のトレーニングを行ってみました。
皆さんも、トライしてみませんか？ 発想力の勝負ですよ。
■実践トレーニング ......（ ）に比喩を書き込んでください。
・サクラのような（ ）/ （ ）のような 君の笑顔
・激流の（ ）/ （ ）人生
・（ ）に勇気づけられた
・ギターは（ ） ＜ギター＝自分の音楽感、人生の意味で＞
コメントに 独創的かつ感動的な比喩を 書き込んでいただけると嬉しいです。
解答に 不正解はありません。全てが正解という 夢のような設問です。
歌詞やタイトルに、比喩は無くてならないものです。
僕が関わった作品に、雅夢の「愛はかげろう」があります。これは隠喩ですね。
夏の強い陽射しに空気が揺らいで見える「陽炎（かげろう）」を 愛の儚さや束の間の思いに掛け合わせていますね。
しかも、隠喩で Ａ＝Ｂと言い切っていますから、より鮮明です。
さすがです！
作詞作曲の三浦和人くんは、現在はソロで活躍中です。
2010年春、新作のアルバムを発表しました。デビュー30周年記念の「僕の声が聞えますか」。素晴らしいアルバムでした。
もう一曲、サイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」。
原曲のタイトルは、「荒れた海にかける橋（Ｂｒｉｄｇｅ Ｏｖｅｒ Ｔｒｏｕｂｌｅｄ Ｗａｔｅｒ）」です。
こちらは、比喩ではなくそのままの表現ですね。
でも、邦題は「明日に架ける橋」。 この場合、明日を 希望とか夢とかの象徴として使っているのですね。まさに、比喩表現（象徴喩）です。
比喩を大胆に使って、笑いを誘うトンチの効いた芸が今大人気ですね。
そう、「謎かけ」です。
お笑い芸人のＷコロン！
あの、「整いました」ってヤツですね。
著作権に触れるといけないので、オリジナルで！
「ドーナッツとかけまして
......ストレスがたまった人と解きます」
「その心は
......どちらも お腹に穴があいています」
実は、中三の娘の作品です。中学生も大変です。 これを聞いて笑いながら ドキッとしました。
謎かけは、完全な比喩表現ですね。
ドーナッツの持つ特徴（真ん中に穴）と ストレスで胃をやられた人（胃に穴があく）の特徴を 「穴」という接点でつないでいます。
この謎かけの考え方は、比喩そのものなのです。
皆さんも、いくつか トライしてみませんか？
そうです。もちろん、作詞上達の基礎訓練のつもりでやってください。
お笑い感覚で、言葉（比喩）のセンスを磨いていって、ついでに作詞も上達してしまう。
これは、笑いが止まりませんね。
＜作詞の 上達は比喩にあり（笑）＞
タイトルの（笑）には、いろんな意味が込められていましたね。
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