『作詞作曲かわら版...音楽都自由区1丁目 002 澤井さん』

作詞作曲自由区のメンバーの皆さんの思いを込めた 音楽エッセイを ご紹介します。

理論的なお話や 新曲紹介 音にまつわる思い出話 音が溢れる日常のお話……を
『作詞作曲かわら版…音楽都自由区1丁目』と題して 不定期でお送りします。
野口義修のエッセイも交えて 盛り上げていきたいとおもいます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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Vol.002 澤井良輔さん ……美声の持ち主のお父さんミュージシャン!

『リスペクトと著作者人格権』


おやじバンドのボーカルをしている私は数年前、「日経大人のバンド大賞」に応募したことがあります。その時ちょっと面白い事を体験したのでそのお話をしましょう。

この大会は「全国のおやじ達が音楽を通じてその青春をぶつけ合う」みたいな企画で、
……要件は
<1>40歳以上が2名以上いること。
<2>演奏曲はアマチュアならではの独創性を重視するためコピーは不可、オリジナル曲または(編曲を加えた)カバー曲。
……というものでした。

<1>の条件は、平均年齢でも40歳を軽く超える我がバンドは楽楽クリアですが
問題は<2>の選曲です。

さんざん悩んだ末、サラリーマンの鏡(笑)のようなあるメンバーの主張が取り入れられ、
勤務する会社のCMに使われていた、イルカさんの「まあるい命」に決定してしまいました。

「決定してしまいました」と書いたのはビートを信条とする我がバンドにとって
この曲はあまりに優しいバラードだったからです。

編曲のお鉢が私に回ってきました。

最初に思いついたのは「まあるい命」を「ロックンロールにしちゃおう」ということでした。

これはやってみればさして難しい話ではなく、
オリジナルバージョンでワンコーラス演奏後??ジョニービーグッドのおなじみのイントロをきっかけに??ロックビートに変えるというものです。

でも、これではまだもの足りません。
そこで思いついたのが、あの「ヘイジュード」のコーラス「ラーラーラーラララーラー」を
曲後半部分でバンドメンバーと観客に歌ってもらい、私が「命の大切さ」を(英語で)訴えかける、というアイデアです。

……というのはこの「ヘイジュード」のコーラス部分と、「まあるい命」のサビはコード進行がよく似ていることに気づいたからです。

また、どちらの曲も「思いやり」というコンセプトで共通しており、
(つなげて)ひとつの曲にすることはむしろ自然に感じました。

もちろん根底にはビートルズへのリスペクトがあました。

英語での「訴え」の中には……
“make it better”,”imagine”,“The world will be as one”
……などビートルズファンなら聞き慣れた単語やフレーズを織り混ぜました。

その演奏録音をテープ審査に応募し結果を待ちました。

……数週間後、無事に審査仮通過の知らせが届きました。

しかし、それには条件がついていました。

「メドレーは『著作者人格権』を侵害する恐れがあるからダメ」というのがその条件でした。

「著作者人格権」を調べると

一:著作物の公表を決定できる権利「公表権」、
二:著作物への著作者名表示有無を決定できる権利「氏名表示権」、
三:無断で著作物を修正変更されない権利、
……などが書かれています。

「同一性保持権」という言葉も見つかりました。

どうやら、主催者からの申し出は、三に関係しそうですが、

イルカさんもポールもこの編曲に腹を立てるはずはないと思うし、
明らかにビートルズの曲をもじったような楽曲はよく耳にするので
それとの違いもわかりませんでしたが、

とにかく出場するには、条件には従わねばならず、

ジョニービーグッドのイントロもヘイジュードの「ラーラーラー」も
(それとよく似た)別のメロディーに変更しました。

これで、メドレーではなくなったわけです。
『著作者人格権』に触れる恐れは解消されました。

この編曲で予選会の演奏に臨みました。
場所は渋谷の「スタジオDUO」。
プロの演奏会にも使われる最高のステージで気分最高でした。

本来のビートルズへのリスペクトは表立っては表現できませんでしたが、
コード進行と英語の単語から、その気持ちはわかる方にはわかって頂けたのではないかと思っています。


野口義修より

作詞作曲自由区の仲間、 澤井良輔さんは、僕と同年代の音楽フリークです。
巨漢で美声で優しくて……信頼出来る仲間です。

一般的に、ライブハウスなどで、既成曲をアレンジし、メドレーにして演奏してもそれほど厳しく言われないと思いますが、
今回のエピソードのようにコンクールや企業がらみのイベントの場合は、
著作権に注意しないといけませんね。

たとえば、英語の歌を、自分で日本語に訳して歌うのも
……厳密には、その楽曲を管理する音楽出版社の許諾が必要なのです。

そのあたりは、日本音楽著作権協会(ジャスラック)のサイトで解説されています。
関心のある方は、一度 のぞいてみるのも良いと思います。

日本音楽著作権協会(ジャスラック)

……音楽著作権とは

……著作者人格権


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